中小・小規模事業者が生きる道は、「小さなアイデアを出し続けること」(上邑コーディネーター)

皆さま、こんにちは。
栃木県よろず支援拠点コーディネーターの上邑(うえむら)です。

大田原商工会議所サテライトで毎週水曜日に相談を受けています。県北の事業者の方で宇都宮の本部まで行くのは難しいという方はぜひ相談にお越しください。

1.最近の相談内容

私が受ける最近の相談では「創業について」、「各種補助金申請について」が多く、ついで「コロナ禍による売上減少に伴う対応について」が多いように感じています。

「創業」の相談では、進捗状況を確認しながら少しずつ創業に向けた準備が進むようなアドバイスを行っています。「各種補助金」に関する相談については申請期限に合わせて毎週のように来られる相談者もおり、相談者の思いをくみ取りながら具体的なアドバイスを心掛けています。また、「コロナ禍による売上減少に伴う対応について」は、コロナ禍での無利子無利息の緊急融資や給付金、雇用調整助成金等の支援でどうにか資金繰りを回してきた企業が多くいるかと思います。今後、返済時期を迎えるにあたり、経営改善に取り組んできた企業は問題ないでしょうが、多くの中小・小規模事業者が立ち上がれない状況がつづいていく可能性が高いと思われます。

2.日本経済の現状と見通し

日本経済全体の動きとしては、円は140円の大幅な円安となりました。これは米国FRBがインフレを抑制するために行なっており、結果として円安が進んでいます。日銀は金融政策を維持し、ゼロ金利を続けていますが、この理由は金利を上げると国債の利払いが増加し、国家予算を圧迫することから利上げが難しい状況になっていることが大きいと思われます。

さらにウクライナとロシア戦争の影響の影響による資源価格の高騰、中国のコロナ禍による部品供給の遅れによる部品供給の遅延による影響も受けています。エネルギー政策については政府が原子力を積極的に活用する方向で舵を切っており、これが実質的に進めば安定供給維持に期待ができ、原油等の購入量も減少し、国際貿易収支の改善にもつながると思われますが国内経済全般としては「withコロナ」も相まって今後もまだまだ厳しい事業環境が継続する可能性が高いように思われます。

3.中小企業が生きる道は「小さなアイデアを出し続けること」

このような経済環境の中で中小・小規模事業者が活きる道を考えてみると、あまり国の支援に頼らず、「自分達の会社は自分達で守る」精神が大事なのではないでしょうか。

売上が減少した、あるいは資金繰りの厳しい企業においては、「今まで通りの経営のやり方を続けてはいけない。」という事実が突き付けられていると思います。それは顧客ニーズを捉えた新しい構想やアイデアを考えながら、お客様に提供していくというチャレンジ精神が必要だと思います。あるいは、機動的な組織への見直しによる組織の活性化などもあると思います。

社会が大きく変わって来ているので、我々の認識も変わる必要があります。経営者の方の目線を少し変えていただき、会社経営に小さなアイデアを積み重ね、チャレンジ精神を埋め込んでいくことで、成功の種を掴んでいただきたいと思います。

日々多くの方の知恵を出し合って、また補助金も有効活用していただき、明るい未来を作っていきたいものです。私もささやかながら、ご支援していきたいと考えています。