こんにちは。令和7年4月より「よろず支援拠点」のコーディネーターに着任しました、中小企業診断士の髙根沢健(たかねざわけん)です。私は長年、リハビリテーションの専門職として、病院や福祉施設などの現場で働いてきました。

最近、リハビリと経営支援の“共通点”を感じることがあります。それは「アプローチが個々によって異なる」ということです。リハビリの現場では、患者さん一人ひとりの状態や生活背景が違います。同じ脳梗塞でも、回復の速さも違えば、目指す生活も違う。だからこそ「その人らしさ」を取り戻すために、個別性に合わせてプログラムを組みます。
経営にも共通することがあると感じています。例えば、経営不振に陥った事業所があったとして、「とにかく売上高を増やせばいい」「人件費を削ればいい」という発想だけでは、現場は疲弊し、改善どころか悪化してしまうこともあります。
大切なのは「なぜ今の状態になっているのか」を、冷静に、そして丁寧に分析すること。
これは、まさに評価(アセスメント)の考え方です。リハビリでは、「できないこと」だけを見るのではなく、「できること」に注目します。そして「できること」を軸に、どうすれば少しずつ「できるかも」に近づけるかを考える。経営改善も同じだと思います。
たとえば、職員の離職が多い事業所があるとします。「待遇が悪いから」と言ってすぐに賃上げするのではなく、「どの部署で、どんな人が、どんな理由で辞めたのか?」を丁寧に分析し、「ここはうまくいっている」という強みを起点に、改善策を立てていく。このプロセスそのものが、私は「経営のリハビリテーション」だと思っています。

リハビリには、「可塑性(かそせい)」という言葉があります。脳や身体には、使い方を変えることで再び活性化し、新しい機能を獲得していく力があるというものです。経営も同じ視点で考えることができると考えています。一度落ち込んだ売上、一度崩れたチームワーク、すべてが「終わり」ではありません。むしろ「やり方を変える」ことで、以前よりも強く、しなやかな組織になる可能性があると信じています。経営指標の分析はもちろん重要ですが、私はそれに加えて、その会社の空気感や、職員の声、経営者の想いにふれながら、「再生の芽」を探していきます。それは、リハビリの中で、患者さんのちょっとした手の動きに希望を見つけるような感覚です。
だからこそ、私は経営改善を「再起のプロセス」だと捉えています。失ったものを取り戻すのではなく、新たな価値を再構築する。それは、決して過去に戻ることではなく、「今ある強みを起点に未来をつくる」こと。そしてその未来は、誰か一人の頑張りで実現するものではありません。社長、従業員、支援者、地域の人々など、たくさんの人の関わりの中で形づくられていきます。

もし、今「どこから手をつけたらいいかわからない」と感じている経営者の方がいたら、一緒に「経営のリハビリテーション」、始めてみませんか?焦らず、でも確実に。今の“できる”から始めて、未来の“できるかもしれない”を目指して。
栃木県よろず支援拠点では、ちょっとした不安ごとから深刻なお悩みまで、経営に関するご相談を経験豊かな専門家が無料でお応えいたします。
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