皆さま、こんにちは。
栃木県よろず支援拠点コーディネーターの山下です。
相談者お一人おひとりに寄り添い、じっくりお話を伺い、真の課題を聴き取ることを常に意識して支援することを心掛けています。
目次
1.補助金の要件にも加わっている「地域課題解決型・地域資源活用型ビジネス」とは?
最近、補助金の要件に「地域課題解決」や「地域資源活用」という言葉が目に付くようになりました。皆さんが日ごろ行っているビジネスの手法を用いて地域課題を解決に導くことに期待が寄せられているのです。地域資源や人材を活かして地域課題をビジネスの手法で解決する事業のことを「コミュニティビジネス」といいます。これまで地域課題の解決は行政が主体となって取り組んできました。しかし、課題の多様化、複雑化や問題の深刻化が進む中、行政サービスが行き届きにくくなり、民間に支援の援助を求めるようになってきました。こうして、1998年に特定非営利活動を行う団体に法人格を付与する「特定非営利活動促進法」(NPO法)が成立したのを皮切りに、コミュニティビジネスを行う組織の数が増加しました。しかし、NPO法人はボランティア活動が主体と捉えられがちで、ビジネス、つまり儲けるという視点が不足しており、高齢化も相まって団体の維持が困難になっているという実態があります。そこで、行政やNPO法人だけでなく企業や地域の人が一丸となって地域課題の解決に取り組む「コミュニティビジネス」に注目が集まっているのです。今まさに地域課題の解決に企業のノウハウが求められているのです。
2.地域課題にはどんなものがあるの?
・少子高齢化
・若者の流出
・労働力不足
・子育て環境
・介護支援
・環境保護・保全
・空き家の増加
・過疎地域の衰退
・文化継承
など、課題は山積しています。地域の活力が失われ、地域経済が縮小してしまう恐れがあるのです。皆さんのビジネスで地域課題を解決し、縮小しつつある地域経済を巻き直すことで、少しずつ地域社会の活性化や地域住民の生活環境の改善・向上につなげることができるでしょう。まさにWin-Winの関係といえます。
3.地域資源にはどんなものがあるの?
是非ご自身の地域に目を向けてみてください。地域ならではの生産物や食べ物、地産品、歴史、伝統文化、観光、技術の高い職人さんなど、その地域ならではの魅力ある資源がきっと見つかると思います。それをビジネスに活かすことで、地域も企業も元気になれます。地域資源を商品やサービスに活用したり、それを多くの人に発信すれば、地域の方もきっと応援してくれるでしょう。地域のファンが増えるのはうれしいことです。
4.地域課題や地域資源を活用してビジネスにつなげるポイント
コミュニティビジネスを成功に導くポイントをご紹介します。
①地域密着度
地域内に幅広い人脈を形成する(地域密着度が高い)ことは、情報発信や人脈を通じて、取引先が拡大したり、事業への協力者を確保したりすることに繋がります。コミュニティビジネスは地域に受け入れてもらうことが基本です。まずは地域のイベントに率先して参加するなど地域と関わる機会をつくるとよいでしょう。地域で知り合いができてくれば、地域の情報が入手しやすくなったり、紹介してもらえるようになります。足を使って行動することが一番ネットワークを広げることになります。
②課題解決度
地域のことを深く理解しましょう。そして地域の魅力や困りごとが把握でき、自社の強みを活かすことで地域課題を解決できそうであれば、具体的に事業を考えていきます。その事業によって地域課題の解決が進む(課題解決度が高い)ことは、地域住民にとって、期待・歓迎される商品又はサービスである可能性(事業の将来性)が高く、住民や事業者による協力も期待できます。
③競争力
他の商品・サービスと比較して独自性や優位性が明確で、商品・サービスの購入を通じて地域課題の解決に貢献できることは共感者や応援者を増やすことになります。地域外へ情報発信することで購入や利用者を増やし、やがてリピーター化から地域のファンの獲得(事業の安定性)、地域外への市場の拡大の可能性(事業の将来性)が高まります。
④経営力
経営者や従業員に専門的な知識や技術があり、具体的に事業計画書を作成するなどで事業の方向性を見極め、従業員や地域の方ととともに実行することができれば、事業の実現可能性が高まり、やがて経営の安定化や持続的成長につながることでしょう。
5.あなたの地域の資源や課題を探ってみよう!
・ビジネスに活かせる地域ならではの資源はありますか?
・地域に必要なことや困りごとは何ですか?
・誰が困っているのですか?
・どうしてその問題に取り組みたいと思うのですか?
この問いの中に皆さんのビジネスのヒントが見いだせるかもしれません。
昨今、補助金の要件や加点要素に加わってきている「地域課題解決型・地域資源活用型のコミュニティビジネス」。注目度が高まるばかりではなく、ビジネスチャンスを見いだせる可能性も大いにあるといえます。皆様の今後の事業展開を検討する際、「地域課題解決型・地域資源活用型のコミュニティビジネス」に着目してみてはいかがでしょうか。
「地域課題解決型・地域資源活用型のコミュニティビジネス」のご相談については、是非栃木県よろず支援拠点をご利用ください。