国内旅行こそ、マーケティングの最高のインプット!(高橋コーディネーター)

皆様、こんにちは。

栃木県よろず支援拠点 IT・マーケティング担当の高橋 英基です。

 前回は「支援のかたち(スタイル)」といった話をさせていただきました。

 相談者のみなさんの悩みは十人十色。しかしどの相談でもひとつだけ共通している部分があって、それは「今の状態では私は満足していない。だから、ぜひこういう状態に変えて欲しい!」という「目指すかたち(最終的な目的・目的地)」でした。

 最終的な目的(目的地)はみんな同じ。でも、その手段はみんな違う。

だからこそ「相談者の満足する『かたち』をしっかりと聞き取り、相談者が望んだ『かたち』に変えていくために知恵を絞るという作業」が、自分の「支援のかたち(スタイル)」なのかな、という内容でした。詳しく知りたい方はこちらのリンクからどうぞ⇒(リンク)

 今回はガラリと話題を変えて、マーケティングに関連する「おみやげ」の話をしようと思います。ちなみに「おみやげ話」ではなくて、旅の楽しみのひとつ、「おみやげ」の話ですよ!

    (いつだって、旅の始まりは気分が高まります!)

 ちなみに皆さんは「マーケティング」という単語を聞くと、どんな事を思い浮かべますか?なかには「マーケティング」という横文字単語を見ると、ついつい敬遠してしまう方もいるかもしれませんね。

 よく私が、小規模事業者や創業者向けのマーケティングセミナーを行う際には、「マーケティング」を「売れる仕組み」と言い変えて話を進めることがあります。仕組みや意味合いといった「中身」をまずは理解してもらいたい時には、まずは「わかりやすい言葉」を使っていくように心がけています。

 さてさて、そんな「おみやげ」から「売れる仕組み」を見ていく話をしていきましょう!

1.日本は広い。同じ日本でも、生活文化の違いが全然感じられる。

 世界の中では小さな島国の日本も、実は東西・南北とも約3000km(これは各方面の最端も含んでいるので、北海道~沖縄と範囲を縮めると東西・南北とも約2000km程度)もあり、人が移動しようとすると案外広いのです。

   (秋田のなまはげ、大阪のかに道楽、熊本の熊本城、沖縄のめんそーれ)

 皆さんは「秘密のケンミンショー極」というTV番組を見た事はありますでしょうか?私も別に必ず見る訳ではありませんが、偶然家に居てたまたま流れていると意外と見てしまう番組です。各地にあるローカルルールやイベント・食文化・時にはライバル県同士の愛あるののしり合いや自虐的なセリフには、笑いながらもその地域に興味を持たせてくれる事もあり、「そこにいつか行ってみたい!」という気持ちになります。

 実は私は、比較的国内旅行をする人なんです。しかもその旅行先の選択が、必ずしも国内の人気観光地ばかりではない、という人なんです。なぜそんな事になるかというと、私の趣味に「サッカー観戦」があり、地元のJリーグチームの(世間でいう)「サポーター」であるからなんです。ところが縁あって地元の栃木で開催する試合(ホームゲームといいます)は試合運営のお手伝いをしています。必然的に「サッカー観るのが好きなのに、仕事のために目の前でやっている試合が観れない!」という、何ともおかしな状況?になっているのです。

 その代わり、「サッカーの試合を観に行く」ためだけに、相手チームの地元で開催する試合(これをアウェーゲームといいます)場所に足を運びます。栃木のJリーグチームは2023年現在、J2と言われるプロリーグの2部カテゴリーに所属していますが、J1(1部カテゴリー)チームが比較的大都市(東京周辺・大阪・名古屋・広島・福岡等)に集中しているのに対し、J2は地方中心都市(2024年シーズンでいうと、秋田・山形・静岡(清水)・岡山・愛媛・長崎・熊本等)が多かったりします。皆さん、今名前を出した7つの都市を全て行った方、いますか?たぶん、全部行った方はそれほど多くはないかと思います。私もサポーターをやっていなければ、正直訪れる可能性は低かった地域だったと思います。しかし、何の因果か「そこに試合があるから、行かねばならない?」となって、足を運んでしまう日々ですので、折角ならその土地を知り、観光をして、美味しいお酒と食事をして、おみやげを買って帰る。そんな事をしているのです。ちなみに、お金や時間、時には体力を使ってまでチームを応援しに敵地に乗り込んでも、必ずしも勝てる訳ではありません。(むしろ、我がチームはそこまで強くはないので、割と負け試合も…そんな時の「保険?」のために、観光というのは重要なんです!なお、試合に勝っても「祝勝会!」・試合に負けても「反省会」と称して必ず飲み食いは行い、地元経済に些細な貢献?をして帰ってきているのですが…)

   (日本で一番海に近い、福岡県北九州市のミクニワールドスタジアム北九州)

 さて、話を「生活文化の違い」に戻しましょう!本当に地域により文化は違うなー、と思うことが多いです。例えば九州に行くと九州醬油という「甘いしょうゆ」が主流となります。四国に入ると、お遍路さんと呼ばれる「四国八十八カ所霊場巡り」の方々が、大きな駅に行くと普通に溶け込んでいるのを目にします。金沢は正に加賀百万石城下町で街に金と朱漆の色使いが多く目立ちますし、秋田では食文化やなまはげ等の伝統文化に、雪にも負けない芯の強さを感じることができます。そんな文化比較ができる事も、旅の楽しさですね。

2.おみやげ売り場はまさに「宝物」

 こんな感じで旅行をして各地の文化を楽しんでいると、最後にはついついおみやげ売り場に立ち寄り、より思い出となりそうなものを物色します。特に最近のおみやげの品(食べ物でもそれ以外でも)は非常に種類が多く、またパッケージ等もカラフルで工夫をされたものが多く、次々と目移りしてしまうほどです。また、商品自体も工夫がされていたり、おおっ!と思うような付加価値があったりと、「皆さん、売れるために様々な工夫や仕組みを考えているんだなあ」と感心するばかりです。そう、おみやげ売り場は「マーケティング」という分野に足を突っ込んでいる私にとっては「宝物」であり、大きな教科書のような場所でもあるのです。(だから私は男性では少数派の、おみやげ売り場の滞在時間が長い人のようです。)

   (同じ商品なのに、パッケージの工夫で色々選べるようになってますね)

ただおみやげ売り場をぶらぶらと眺めていると、突然足が止まり、目が引き付けられる商品にめぐり合う事が結構あります。たいてい

  • デザインが目を惹く
  • その地域を代表するような名産品の「品質の良さ」がきちんと伝わるような売場つくりになっている
  • 「おおっ、そう来たか!」と驚かせるような工夫(付加価値と言い変えられるかもしれませんね)がみられる

といった3つの観点のどれかに引っかかり、思わず足を止め、時には手に取ってしまいます。実はこれこそ、「売れる仕組み」が商品の中にあるからついつい自分は惹きつけられてしまうのではないか、と考えているのです。

実はマーケティングのセミナーで「売れる商品を構成する 3つのトライアングル」という話をすることがあります。上記の「おみやげ売り場で足を止めてしまう」行動の①~③は、実は下図にある①~③から来ています。

 そうなんです。実は自分が目についたおみやげ商品は、これらの構成がきちんと出来ていた商品が多く思えるのです。特に印象に残っているおみやげ商品は自分がもう一度訪れた時に「リピート買い」していますし、おみやげを渡した方からも好評であることが多いような気がします。

 自分も旅に出ればひとりの消費者であり、自然と消費者目線で商品の選択をしています。

 その「感覚」は、この仕事をおこなう上で非常に大切にしなければいけないと思っています。

3.常にインプットすることが大切。

 しかし本当に日本全国には素晴らしいおみやげの商品があり、そのほとんどが中小企業の商品です。無論、商標権などの知財に触れてしまうのは厳禁ですが、そのアイデアや発想といった「フレーム(基軸)」になる部分は、商品開発などに十二分に活かせるのではないかと思っています。マーケティングといった「売れる仕組み」は、理論を覚える事ももちろん重要ですが、それが備わった上で「たくさんの商品例」を見てインプットをし、「なぜこの商品が売れているのだろうか?」といったことをしっかり考えていくことも重要ではないのかな、と思っています。

 よろずのコーディネーターの方々はこの「インプット」を非常に大事にしている方が多いと感じています。それぞれ持つ専門的知見に決して満足することなく、より新たな事を学ぼうとして大学に通って学んだり、自己研鑽でセミナー受講に費用を惜しまなかったり、インプットの機会を求めて時間を融通し、大型展示会等に足を運んでいく方々もいます。そういう環境の中で自分も刺激を非常に受けています。是非、よろずを利用してその知見を皆さんも受け取って頂ければ非常に嬉しいです。

番外.ここ5年で行ったオススメ国内観光地5選!

最後に、ここ5年間にサッカーの遠征で行ったオススメの国内観光地をご紹介します。

最初は3選でしたが、絞り切れず5選になりましたが、許してくださいね!

 ①長崎

 実際に行くまではこんなに魅力ある地域だと思いませんでした。長崎市内だけでなく、島原半島、佐世保、軍艦島、五島列島などへも足を運び、どこも満足でした。

   (島原半島にある「日本で一番海に近い駅」と言われる、島原鉄道大三東(おおみさき)駅)

 ② 鹿児島
 飛行機から見る桜島の雄大さは、フェリーで山の麓まで行けば更に迫力ある景色を楽しめます。また幕末薩摩藩の歴史を辿る鹿児島市内の散策や、少し足を延ばして指宿まで行けば砂蒸し温泉が楽しめます。なお、桜島はしょっちゅう噴火してますが、驚くのは観光客ばかりで地元の人達にとっては火山灰と共に「日常」だそうで。

   (JR日本最南端の西大山駅から真っ直ぐ伸びる線路の先には、円錐状の開聞岳が。)

 ③山口

 山口県も様々な見どころがあります。西の小京都、山口市をはじめ、関門海峡のある下関、長州藩(毛利家)のお膝元である萩、工場夜景の宇部、元乃隅神社のある長門など、とても1日では全部回り切れません。

   (ふぐ(地元では縁起を担いて「ふく」と呼びます)で有名な、下関の唐戸市場)

 ④愛媛

 柑橘王国愛媛。「愛媛産には『愛』がある」のキャッチフレーズのように、温暖な気候の中で育まれた歴史と文化、そして道後温泉のある松山市、造船とタオルの街今治、仙台伊達家から分家した宇和島伊達家が治めた水産業の街宇和島など、見どころは沢山です。

   (国の登録有形文化財でもある松山市三津浜の「鯛や」さん。お膳の鯛メシは絶品)

 ⑤秋田

 秋田新幹線で向かった秋田県。なまはげと秋田犬が出迎えてくれる秋田市は、「あきたこまち」に代表されるお米やそれを原材料とするきりたんぽ・稲庭うどんなど、雪国らしく白い食べ物がおいしい場所です。また男鹿半島や白神山地・田沢湖等の豊かな自然も魅力です。

   (その形から名付けられた男鹿半島の「ゴジラ岩」。自然の造形は時に傑作を産み出す)