廃業について(堂場コーディネーター)

よろず支援拠点でコーディネーターをしております弁護士の堂場加奈子です。

今日は廃業に関する相談についてお話ししたいと思います。

昨今、コロナ禍による経営への影響から、会社の資金繰りが難しく返済が苦しくなってしまったため、弁護士の法律相談を受け、その結果、破産を選択するようアドバイスを受ける会社が徐々に増えてきています。 こういった場合、経営者が会社の負債の連帯保証人としてなっているケースがほとんどです。ここで、経営者の不安としては・・・破産を選択して再出発を図りたいけど、私の負っている連帯保証債務も同じように支払えないからやっぱり私も破産しなければならないのか・・・そうなると・・・今後の生活はどうなるんだろう、財産全部なくなってしまうのかな、子どもの生活は守れるのか・・・などさまざま浮かんできてどうしたらよいかわからなくなってしまうのではないでしょうか。こういった不安は相談を担当した弁護士に解消してもらえるので、遠慮なく話してみてください。

破産するとどうなるかについて世の中でまことしやかに言われていることが実は都市伝説のように間違っていたりすることがあります。私が実際に相談を担当した方の中でも誤解した情報の下で、本来必要のない不安を抱えることになってしまった相談者にお会いすることがあります。

実際の相談時には、相談者の方が置かれている状況を具体的にお聞きした上で今後の方針をアドバイスしますので、正しい知識を持って適切に判断できるよう不安なことは相談時に確認してください。

今日は、さらに、経営者個人の負債についての対応方針として、破産以外の選択肢があるというお話しをします。

会社が破産した場合、通常であれば経営者の方も破産を選択することになるケースが多いというのが倒産案件をいくつも担当してきた弁護士としての実感です。

しかし、場合によっては、経営者の負債について「経営者保証に関するガイドライン」に基づき保証債務の整理をすることが可能な場合があります。負債の内容・額や経営者の方の置かれている経済的な状況などによってこの手段を取ることができるかは変わってきますので、まずは早めにご相談いただくことをお勧めいたします。あと半年前だったらこの方法取れたのに・・・はよくある話です。

会社の経営について運転資金面で少しでも苦しいと感じることがあれば、まずは一度栃木県よろず支援拠点に相談してみてください。よろず支援拠点には資金繰りを専門とする中小企業診断士のコーディネーターがいます。ご相談が早ければ早いほど選択肢は広がります。よろず支援拠点のコーディネーターは守秘義務を負っているので、取引先や金融機関に情報が知られることはありません。安心してご相談ください。

もしも廃業という方針が選択肢の1つとしてあがったとしても早期の相談が有効です。遅くなればなるほど、負債の額が増えたり状況が悪化したりする可能性が高く予想されます。事態が深刻になってからでは本来だったら取れたはずの方針が取れなくなりご自宅の競売など望まない結果が避けられなくなる可能性もあります。

また、よろず支援拠点では栃木県活性化協議会等の他機関と密接に連携しているため、必要であればご紹介いたします。一人で抱え込まないでください。一緒に考えましょう。我々コーディネーターは経営者の皆様の味方です。深刻になってからではなく、深刻になる前にぜひ一度ご相談してみてください。