皆さま、こんにちは。
栃木県よろず支援拠点コーディネーターの山下です。
相談者お一人おひとりに寄り添い、じっくりお話を伺い、真の課題を聴き取ることを常に意識して支援することを心掛けています。
世の中は複雑化し、ニーズは多様化し、得体の知れぬコロナ禍に翻弄し、先行き不透明で不安要素に満ち溢れている今だからこそ、あえて皆さんに問いかけたいと思います。
「あなたが目指しているものは見えていますか?」
1.ビジョンを明確に、鮮明に描く
何のために事業を営んでいるのでしょうか。誰のために頑張っているのでしょうか。地球温暖化で環境はどんどん悪くなり、様々な気象災害が発生、今の状況は私たち人類や全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす「気候危機」とも言われています。コロナ禍で経済は止まり、多くの事業者が売上激減に苦しんでいます。世の中が大きな変革期を迎えているような気がします。
こんな時だからこそ、改めて、今私たちは何を目指しているのかを自身に問いかけてほしいと思います。何のために、誰のため今私たちは踏ん張っているのでしょうか。コロナ禍を乗り越えた先にはどんな景色が見えますか?
この景色を「ビジョン」といいます。ゆるぎない目的や普遍的な理想像・存在意義を根っこに据え、それを具現化した将来の姿がビジョンです。
こんな時だからこそ、ビジョンを明確に、鮮明に描くことが重要なのです。
できるだけ具体的に、目をつぶれば映像としてその姿が見えるくらい鮮明にビジョンを描いてください。そしてその映像にワクワクしてください。描くのは自由です。脳の内側で描くことで、それを手に入れようとする前向きなエネルギーが生み出されます。
2.理想的な未来の姿から逆算し、現在取り組むべきことを考える
今、目の前には様々な問題が山積しています。目の前の問題に翻弄していてはいつまでたってもそこから抜け出せない状況に陥ります。
昔は目の前の問題の原因を追究し改善を講じていれば道は開ける時代でした。このような問題解決型の思考を「フォアキャスティング型思考」といいます。
しかし今は様々な複雑な事象に対応しなければならず、原因究明している間に次の問題が発生します。その場にとどまっていては遅れてしまい、いつまでたっても成果がでず、前進できないことになってしまいます。
そこで最近注目されているのが「バックキャスティング型思考」といわれる考え方で、理想的な未来の姿から逆算し、現在取り組むべきことを考える思考です。
(図は、「フォアキャスティング型思考」と「バックキャスティング型思考」の考え方です)
正解が見えない時代だからこそ、仮説検証のサイクルを回して、修正や改善を重ねながら、理想の未来に近づくための方策を導き出すことが重要なのです。
また、不足点よりも可能性に着目した思考のほうが、メンバーのモチベーション向上にもプラスに寄与するのです。
3.理想的な未来の姿=ビジョン
皆さん、すでにお気づきでしょう。バックキャスティング型思考を行うためには、理想的な未来の姿=ビジョンを描けている必要があるのです。ビジョンを描けていることこそ今のこの先行き不透明な時代を乗り越えるための必要不可欠な要素ということなのです。
「あなたが目指しているものは見えていますか?」。もし見えていなかったり、不鮮明だったら、ここでいったん立ち止まって、改めて自身に問いかけてみてください。そこで「ワクワク」とともに見えた景色を、周りと共有し、バックキャスティング思考で今を乗り越えていただきたいと心から願っています。