栃木県よろず支援拠点 デザイナーの鈴木です。
先日数年ぶりにじっくりテレビを見た時に、表示されている文字がユニバーサルデザインフォント(UDフォント)に変わっていることに気づきました。
※気づくのが遅いですね笑
そもそもユニバーサルデザインとは、1980年代にアメリカで提唱された「国籍や文化、言語の違い、年齢や性別、身体特性や能力に関係なく利用することができるように建物や施設、製品、サービスなど社会全体の環境を設計(デザイン)しようとする考え方」で、日本でも1990年代から知られるようになってきたと言われています。
ユニバーサルデザイン(以下 UD)には、私たち身の回りのものにたくさん存在します。
その代表例として日本にあるユニバーサルデザインにどのようなものがあるかというと、誰もが知っているのが「自動ドア」ではないでしょうか?
車椅子を使用している人、荷物を持っている人、ドアノブが届かない小さな子ども、ドアを開けるのが苦手な高齢者などなど、自動ドアは誰でも簡単に利用することが可能です。
他にも、階段の手すり・信号のメロディ・コインの入り口が広い自動販売機・ピクトグラム表記案内・点字ブロック・ペットボトルの形状・お札などなど、私たちが生活するありとあらゆるものはUDを取り入れてつくられています。
※詳しく知りたい方はぜひ検索してみてくださいね。
では、UDフォントとはどのようなものかというと、UDフォントに基づいた誰にでも見やすく読みやすいフォントで、読みやすさに加えて、遠くからでもわかりやすく読み間違いがないように、可読性や視認性、判読性が高くなるようにデザインされているのが特徴です。
通常のフォントと比べて、すっきりとしていて読みやすい文字ですね。
乱視で年中疲れ目の私は、明朝体のフォントでは目がぼやけて見づらいことがあるのですが、UDフォントに変わったテレビの表示を見た時、とても読みやすかったことを覚えています。※視力の度合いにもよりますので、個人的な意見です。
UDフォントはどのようなところで使われているかというと、教育関係や道路標識・駅名表示、医療や福祉の現場など様々な場所で使用されており、パッと見てわかることが重要な現場で多く活躍しています。
このように、街全体を見回してみると、知らない場所でも標識を見ながら移動ができるなど、国籍や文化、言語の違い、年齢や性別、身体特性や能力に関係なく、すべての人が認識できるようつくられていることがわかります。
今回はUDデザインからのお話になりましたが、ご自身で情報を発信する時にも同じことが言えます。
よろず支援拠点には、様々な事業者様が相談にいらっしゃいますが、チラシやプロモーションの相談で多いのが『情報量を詰め込みすぎている』ということです。
ご自身の事業を知ってほしいと思う気持ちはもちろんわかります。しかし、伝えたいことを詰め込みすぎてしまうと、情報量が多すぎて一番伝えたいことが伝わらない。という結果に陥ってしまいます。
UDデザインの考え方を応用して情報をシンプルに、情報を伝えたい相手(お客様※ターゲット)に向けて、”何を一番伝えたいか”をよく考えてみましょう。
そして、情報を受け取る相手が”その情報を見てどう思うか”を意識して情報整理とデザインをつくってみると、伝えたいことがストレートに伝わるのではないかなと思います。