皆さま、こんにちは。
栃木県よろず支援拠点コーディネーターの郡司です。
宇都宮の本部の他に那須塩原市商工会サテライト、矢板市商工会サテライトを担当し、専門分野は主に生産性向上、補助金活用、創業支援、資金繰りなどです。お気軽にご相談ください。
日本商工会議所日商ニュース(2022.9.22 https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2022/0928110000.html)の雇用調査によると、「人手が不足している」と答えた企業が6割を超え、人手不足が深刻になっています。また、これを裏付けるように、よろず支援拠点でも人手不足の相談が増えてきています。
人手が不足している中、売上を確保するためには生産効率を高める必要があります。そこで、今回は生産効率を高めるヒントとして、生産効率向上策について書きました。ご一読下されば何よりです。
1.生産効率とは
生産効率とは、製造に必要となる人数や時間を実際に要した人数や時間で割ったものです。
例えば、5人でできる仕事に対し、実際は10人が必要となった場合、生産効率は5÷10=0.5となります。
生産効率が100%に近づくほど、無駄がなく効率的な製造ラインを実現できていると言えます。
【参考】
生産効率と生産性とは似ているようで異なる概念です。
生産性は、単位あたりの生産量と投入した資源量の比率を表す数値です。計算式は、「生産性 = 生産量 ÷ 資源投入量」で表します。
例えば、100個の製品を5人で作ったら生産性は20、10人なら生産性は10です。
2.生産効率向上策
生産効率向上策を以下に示します。
①業務プロセスの改善
業務プロセスを改善するうえで、大切なことは作業工程を「見える化」することです。可視化することにより、関係者に対し共有できムリ・ムダ・ムラといった効率が悪い部分がわかるようになります。それらを排除することで効率性を改善することができます。
②不良品削減
不良品を根本的に減らすには、「品質は工程(加工・組立工程や作業)でつくり込むこと」をしなければなりません。
そのためには、製造品質のバラツキに影響する要素を品質データーシートなどで見える化し、工程や作業の中で設計品質(ねらいの品質)により近いものを作るような管理を行っていきます。また、データはただの数字の羅列に終わるのではなく、グラフ化し、バラツキや時系列の推移を明らかにします。
③IT導入による業務の効率化
ITツールの導入によって、業務プロセスの効率化を図ります。
〇各業務の主なITツール
・フロント業務・・・顧客対応、販売支援ツールなど
・ミドル業務・・・生産管理システム、デジタル製造ツールなど
・バックエンド業務・・・総務・会計・人事・労務・在庫・物流等のツール
【中小機構のITプラットフォームの紹介】
中小機構のITプラットフォームは、中小機構が提供するIT支援ツールの総合発信サイトです。IT導入フェーズごとに活用できます。
〇現状分析と経営戦略フェーズ
・「IT戦略ナビ」/自社の課題を見える化し、IT戦略マップを作成
・「IT経営簡易診断」/専門家との3回の面談で専門家よりIT化を提案
〇具体的な施策検討フェーズ
・「E-SODAN」/経営に関する悩みにお答える経営相談チャットサービス
・「ここからアプリ」/生産性向上に向けた業務用アプリを紹介
・「ebiz」/ネットショップ販売成功のヒントを詰め込んだポータルサイト
〇計画と実行フェーズ
・IT導入補助金/ITツールの導入にかかる経費を補助してもらえる補助金
IT導入補助金2023の公募の開始は2023年3月31日になる予定です。
④設備レイアウトの最適化
工場内の設備の配置、保管場所や動線などを考え最適化しましょう。
⑤最新設備の導入
AIを適用した最新設備も出てきており、最新設備を導入することで生産効率が大幅に向上することが期待できます。
【生産性向上支援策】
〇ものづくり補助金/中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。
3.まとめ
今回生産効率向上策について書かせていただきました。
生産効率向上のポイントは、いくつかありますが、先ずは業務プロセスを可視化しムリ,ムダ、ムラを排除することをお勧めします。ITツールや設備導入には大きな投資が必要になりますので、補助金にチャレンジすることをご検討の事業者様はご相談の上ご検討ください。
最後までお読みいただきありがとうございした。