利益の上がらない中小企業経営者が考えるべきこと (上邑コーディネーター)

 皆様、こんにちは、栃木県よろず支援拠点コーディネーターの上邑(うえむら)です。 中小企業診断士の資格を活かし、中小企業の経営改善計画の策定支援や創業支援等を行っています。よろず支援拠点はもうすぐ3年になります。大田原商工会議所サテライトで毎週水曜日に様々な相談を受けています。よろず支援拠点の他の専門家につなぐこともできます。県北の事業者の方はぜひお気軽に相談ください。

 コロナ禍が明けたけれども、なかなか売上が戻らないといった飲食店や企業経営者は多くいらっしゃるかも知れません。特に飲食店はコロナ禍で消費者の消費動向の変化によってその影響を強く受けているように思われます。そのなかでもコロナ禍を通して売上が増加している飲食店もあります。これらの店舗は、顧客のニーズを取り入れることで、成功しているようです。

 では、その顧客ニーズとは何でしょうか。どうしたら顧客ニーズを掴み、成功への道につながるのでしょうか。そのためにはまずは「経営者の考える姿勢」が重要だと思います。

 今回は以下の2点について考えてみたいと思います。

1.あなたの現在の事業で顧客の心を掴める商品・サービスは何か

 著名な経営学者であるピータードラッカーは「マーケティングというのは販売ではない。真実のマーケティングは、販売をなくすことだ。」というようなことを言っています。わかりにくい言葉ですが、この真意は「マーケティングは売ろうと思わなくても売れるようにすることだ。」ということです。実際に人気のあるラーメン店などでは口コミで宣伝しなくても人が行列を作って並んでいることはTVでもよく放映されています。(一時的というのもよくあるようですが)

 先の飲食店の例でも近隣の他店舗より、手間をかけて新鮮な仕入れを日々行っていることや丁寧な接客などが高収入の顧客ニーズを掴んでいるようです。したがって必要なことは「お客様が何を求めているのか」をキャッチすることと、それに合う消費やサービスを提供できているかということです。現実にはなかなかできないことであり、それ ができる店舗が成功する企業になっていくといえます。

2.自社の商品・サービスに付加価値を付け加えるために考え続けること

 世界のどこにもない技術や製品を生み出すことはなかなか難しいものです。よくある手法はターゲットを絞り込み、小さな分野事業分野や小さな地域でのNo.1の商品やサービスをつくり、提供することです。これなら少し考えやすいと思います。

また、すでに述べたことの言い方を変えたものではありますが、「どこにでもあるものに付加価値をつける」という考え方も重要です。誰でも行っていることを、同じようにやっているということでは、当然差別化はできないし、特徴も出せません。「ほかの人とは違う何かを生み出し、付け加える」ことが重要です。しかしながら「付け加える何か」は当然お客様にニーズに合っているということは言うまでもありません。そのためには日ごろから「アイデアを考え続ける」ことが成功する経営者の条件だと思います。競合他社に比べ、付加価値を付け加え続ける(顧客満足の伴った)ことを考え続け、提供することが安定した経営の要諦だと思います。

3.終わりに

 今回は中小企業事業経営者の基本的な心構えについて考えてみました。書いてあるのを読んだだけではただの情報です。この情報を自分の中でどう取り入れるか、実務にどう活かすかによって情報が知識になります。これまではモノ・金・情報が経営資源と言われていましたが、これからはこの知識が重要な経営資源になっていきます。

 皆様の日々のご努力のご支援をさせていければと思っています。お気軽にご相談ください。