未来の自動車:完全自動運転の実現に向けて(郡司コーディネーター)

皆さま、こんにちは。

よろず支援拠点コーディネーターの郡司です。

ドライブにはいい季節になってきましたね。今回は未来の交通手段、自動運転車についてお話しします。

 自動運転車には、安全性の向上、交通渋滞の緩和、効率的な移動、高齢者や障がい者の自由な移動が可能になるなど、多くのメリットがあります。一方で、従来の車に親しんできた運転好きの人にとっては、(私もその一人ですが)楽しみが減ってしまうのは少し残念です。しかし、自動運転の流れは止められません。

 それでは、自動運転の開発状況について見ていきましょう。

1.自動運転レベルについて

自動運転は下記のようにレべル0~5まで設定されています。

  • レベル0: 運転支援なし。人間が全ての運転を担当。
  • レベル1: 運転支援。ステアリングまたは加減速のいずれかを車両が支援。
  • レベル2: 部分自動運転。ステアリングと加減速の両方を車両が支援するが、人間の監視が必要。
  • レベル3: 条件付き自動運転。特定条件下で車両が全運転タスクを担当するが、必要時には人間が介入。
  • レベル4: 高度自動運転。特定条件下で車両が全運転タスクを担当し、人間の介入不要。
  • レベル5: 完全自動運転。すべての条件下で車両が全運転タスクを担当し、人間の運転が不要。

 現在、最も普及しているのがレベル2です。レベル3は法規制などの問題で限定的に実用化されています。また、レベル4は、一部地域で実用化されておりWaymoがアリゾナ州フェニックスで自動運転タクシーサービスを提供中です。レベル5は、まだ研究段階にとどまっています。

2.自動運転を可能にする技術

 自動運転を可能にするためには、高度なセンサーと通信技術が不可欠です。以下に、主要な技術を紹介します。

  • センサー技術:LiDAR(レーザーを使って高精度の3Dマップを作成)、カメラ、レーダーなどを活用して周囲の環境を正確に把握します。
  • 通信技術:V2X(自動運転車がリアルタイムで情報を交換する技術)や5G(高速かつ低遅延の通信)によって車両同士やインフラとのリアルタイム情報交換を実現し、迅速な意思決定をサポートします。

 今後、自動運転技術の進展には、AIと機械学習の高度化により認識能力と判断力が向上し、5Gおよび6G通信技術によって高速・低遅延のデータ交換が実現されます。さらに、V2X通信が車両とインフラの情報共有を強化し、交通の安全性と効率性を高めます。これらの技術が統合されることで、自動運転車はレベル5(完全自動運転)に向けて大きく進展すると期待されています。

3.自動運転化のステップ

 経済産業省の「自動運転に関する経済産業省の取組・方針(2023年7月24日)」より、レベル4自動運転トラックの社会実装のステップ策定をみると2030年度以降に普及期に入るステップとなっています。あと6年もすると、レベル4の自動車が広く行き渡るかもしれません。

 しかし、その先の完全自動運転(レベル5)の実現については、専門家の間でも疑問が呈されています。すべてのシチュエーションで人間と同等以上の能力を持つ必要があり、そのハードルは非常に高いです。予測不可能な状況や複雑な交通環境への対応が求められるため、技術的および倫理的な課題が山積しています。実際に、レベル5の達成は「未来の夢」とされており、現実にはまだ遠い目標であるという意見が多く見られます。

4.まとめ

 自動運転技術は進化を続け、私たちの生活に大きな変革をもたらす可能性があります。安全性と効率性の向上により、より便利で安全な移動手段が提供される未来が待っています。レベル5の完全自動運転はまだ夢の段階ですが、技術の進歩と人間の努力がこの夢を現実にする日を期待しましょう。