実は私、デジタル恐怖症なんです。(齋藤コーディネーター)

 皆さま、こんにちは。栃木県よろず支援拠点コーディネーターの齋藤です。主に紙媒体を扱ったグラフィックデザイン、ロゴマーク、看板など各種広告デザインを作成しているので、一見デジタルにも詳しいイメージを持たれる方もいるのですが、実は私、デジタル恐怖症なんです。

1.就職氷河期世代の就活

 時はすでに30年以上前。当時は就職氷河期世代と言われ、なかなか就職先が見つからなかった最中の事です。これからの時代はアナログからデジタルに切り替わるという時期でもあり、デザインを学んでいた学校でも「Mac」を導入しました。もともとパソコン操作ができない私はPCの電源を入れる事くらいしかできなかったのですが、ついつい就活の履歴書に「Mac使えます」と書いてしまったことが全ての始まりでした。

2.いざ印刷会社へ就職

 その履歴書が目に留まったのか20歳で栃木県内の印刷会社に入社し、制作部に配属されました。入社から3ヶ月ほど経った頃、専務に声をかけられ、「齋藤くん、Mac使えるんだよね?これから本気でウチもデジタルに切り替えるから東京の別会社に出航して学んできて。」と言われ、一週間後に東京へ飛ばされました。

3.いざ憧れの東京へ

 憧れていた東京で仕事ができるという喜びの反面、電源の入れ方しか分からない自分じゃ無理だろう…(汗)という不安の方が圧倒的でした。案の定、教えていただける方は聞いたこともない専門用語を巧みに使いこなす宇宙人のような方でした。当時、スマホはもとよりネット環境も整っていない時代でしたので、分からない言葉をノートにメモをとりながら、仕事以外の時間に図書館や本屋へ行って調べてくるという日常。上司からは「お前、戻ってきて何もできなかったらお前の席はないからな!」といったバリバリのパワハラコメントを受けながら、繊細な心の私は、初めて円形脱毛症になりました。

4.重なるシステムトラブル

 そんな毎日と向き合いながら、何とか半年程度で栃木の会社に戻ってきましたが、トラブル続きの毎日。パソコンも突然フリーズしたり、プリントに半日も時間がかかったりと、安定するまで3年くらいかかったかと思います。 この経験がデジタル恐怖症となる根本的な原因なのですが、現在もIDやパスワードに縛られるこの時代に嫌悪感を抱いています。

5.グラフィックデザインの良い点

 なぜ今でもデザイン業を続けられているのかを考えると、特にグラフィックデザインの場合は何をどう表現するかが大切なので、時代に左右されなくて済む点かと思えます。極端な話、パソコンで作らなくても伝える手段としては手書きでも良いのです。現在は広告媒体の中でもSNSでの発信が主流となりつつありますが、今あるものは数年後には古くなる時代。いつまでも時代を追いかけ続けていかなければならない媒体よりも、画面越しではなく直接目で見える媒体を作る方が自分には向いているのかもしれません。

6.最近始めたこと

 小さい頃から塾に通ったこともなく、習い事もできなかったのですが、子育てもひと段落してきた現在、昨年から書道教室に通い始めました。 普段の仕事ではパソコンを使用してデザイン制作をしていますが、穂先の力加減や墨の量、筆の入れ方、留め方、払いなど、人間でなければ表現できない書道はとても心が落ち着き、気持ちが整います。デジタル社会で生きていかなければならない世の中ではありますが、普段の生活の中に少しでもこのような人間的な時間を設けることも大切だと感じています。

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