今や、DXは一般的な言葉になりつつあります。それどころか、「xxDX」のように、何でもDXと付ければ、その分野での最先端を意味する言葉になっています。でも、本当にそうなのでしょうか?
DXとは、「事業や企業そのものを変革していくために、デジタルを活用する」であると、考えます。最先端の技術やツールを導入することではなく、ビジョンの実現にむけた施策の中で、デジタルでの解決を考えることがDXの入り口です。 今回は、専任のIT担当者がいない中小企業が取り組むべきDXのお話をしたいと思います。
1.DXは何から始める?
DXの第一歩は、目標を決めることです。例えば、「いち早く変化に対応できるように、得意先の状況や市場の動向をタイムリーに把握にすること」を目標として考えて見ましょう。
一般的にそのような情報は、最前線にいる営業担当者が持っていて、営業日報などで、報告することが多いと思います。その場合、WORDなどで作成された定型様式に入力し、メールで上司に報告するケースが多いのではないでしょうか。PCで、WORDを使って作成するので、「紙に手書き」のアナログではありませんが、データとして活用出来る状態ではありません。
入力した情報を、そのままデータとして保存できる仕組みがあれば、分析を行い、その結果を社内で共有するところまで自動化することが可能です。
従来のプロセス:情報の入力⇒情報加工(データ化)⇒分析⇒分析結果の配信
新たなプロセス:情報の入力(=データ化)⇒分析⇒分析結果の共有
その仕組みをデジタルで実現すれば、今までとは全く違うプロセスであり、データの活用範囲も大きく広がります。これがDXです。 しかし、そんな仕組みを開発、保守できる人材がいないから、出来ないと思われるかも知れませんが、そんなことはありません。
2.DXに必要なこと
DXに必要なことは、「目的」と「目標」です。別な言い方をすると「~のために~したい」ということです。 その後は、目標を達成する為に必要な仕組みを実現するデジタル・ツールの選択を、外部の専門家に訊けば良いことです。経済産業省が提供する「みらデジポータル」なども活用出来ます。もちろん、よろず支援拠点にご相談頂ければ、きちんとお答えします。導入のことだけではなく、その後の運用や費用面を考慮した解決策を一緒に考えます。
3.DXに使えるツール
最近は、クラウド上で稼働するアプリが多く有ります。いくつか、キーワードを上げると、「RPA」、「ノーコード、ローコード」、「コミュニケーション」、「CRM」、「MA」などがあります。
「RPA」は定型的業務の自動化、「ローコード、ノーコード」はアプリの開発環境、「コミュニケーション」ではZoomに代表されるオンライン会議など、いずれもITの知識が無くても利用できるものは多く有ります。しかも、無償のものやサブスクリプション型課金のものなど、費用負担が少なく、比較的手軽に導入・利用できるものも少なくありません。
4.明日からスタートできるDX
先ずは、「目標」を決めて、達成するための課題を洗い出して下さい。その上で、デジタルの活用を念頭に、課題への対応を考え、優先順位決めて、ひとつひとつ着実に進めて行くことが重要です。
「我が社も取り組んでみよう!」と思ったら、取りあえず、具体的な進め方など、よろず支援拠点へご相談下さい。