目次
1.始めに
コロナ禍で実施されたゼロゼロ融資で経営をつないで来た企業も、返済時期を迎えており、借入金の返済で経営が厳しくなっている企業も多々あると言われています。特に中小零細企業では金融機関から の支援もあまりない状況が見受けられます。
私が一昨年相談を受けた企業においても赤字が続いており、資金繰りの相談に来られ ました。ゼロゼロ融資で借りた20百万円が、借入金の返済が始まったために、1年で10百万円減少し、あと1年で資金ショートする可能性が高いことが見えたことから、これから述べる中小企業活性化協議 会の405事業があることを社長さんに伝え、405事業 を行うことを条件に金融機関から元本返済の一定期間停止をお願いしました。その後経営改善計画を策定(金融機関の合意が必要)し、現在黒字化に向けて経営改善を進めています。
この405事業は国の事業であり、計画策定費用の2/3(上限200万円)の補助が受けられる資金繰りの厳しい企業にとって、切り札ともいえる制度だと思います。

2.中小企業活性化協議会(経営改善計画策定支援事業:405事業)とは
全国の各都道府県に設置されている国の出先機関です。中小企業活性化協議会は405事業のみを実施しているわけではありませんが、紙面の都合上405事業の内容に絞らせていただきます。その他の事業については協議会のHPを参照ください。
3.405事業の背景(中小企業庁HPより)
借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えており金融支援が必要な中小企業・小規模 事業者の多くは,自ら経営改善計画等を策定する事が難しい状況です。こうした中小企業・小規模事業者を対象として、中小企業経営強化支援法に基づき認定された経営革新等支援機関が中小企業・小規模事業者の依頼を受けて経営改善計画などの策定支援を行うことにより、中小企業・小規模事業者の経営改善を促進します。
4.事業概要
本事業は、金融支援を伴う本格的な経営改善の取り組みが必要な中小企業・小規模事業者を対象として、中小企業・小規模事業者が負担する経営改善計画策定支援に要する計画策定費用およびフォローアップ費用について中小企業活性化協議会が3分の2(上限200万円)を負担します。
5.経営改善計画の策定について
経営改善計画の策定は計画作成が目的ではなく、当該企業が経営改善計画を策定することで、現状の課題と今後の改善策を明確にし、金融機関の支援を得ながら、実際に経営改善を実行し、計画を達成することで、事業再生を図ることにあります。 このための方法として借入金の返済を減免(リスケジュール)し、返済を軽くしていくなかで経営改善計画を実行し、経営再生を図っていくものです。具体的には中小企業診断士等の「経営革新機関」として認定された機関に当該企業が依頼し、計画策定を実施します。また405事業の申請にあたってはメインの金融機関の同意も必須です。
6.経営改善計画の作成のポイント
これまで経験してきた経営改善計画の策定において細かな技術的観点は別にして以下の内容を確保した計画が望ましいと考えています。
・現状の問題点の把握そして深掘り(詳細分析)が必要
・既存事業の立直しと新規事業の構築の両輪が望ましい。
既存事業のみでは必要な損益改善が難しいことが多い。
新規ビジネスについては実現可能性を高くするために具体的によく練り込むこと
・経営者および幹部・スタッフのスキルを考慮した計画であること
・実行可能性のあるプランの構築までよく練り込むこと
・実行可能性をよく検討しており、それほど無理のない計画となっていること。
7.終わりに
皆様、こんにちは、とちぎ県よろず支援拠点コーディネーターの上邑(うえむら)と申します。今回は中小企業活性化協議会の405事業について説明させていただきました。非常にニーズの高い事業ではないかと思っていますが、中小企業経営者の方の認知が進んでいないのではないかと思い、今回書いてみました。金融機関への返済が難しい等、財務上の問題を抱えている事業者様におかれましては、「よろず支援拠点」にご相談いただけると、改善の糸口が見つかるかも知れません。早めのご相談をお勧めしま す。
栃木県よろず支援拠点では、ちょっとした不安ごとから深刻なお悩みまで、経営に関するご相談を経験豊かな専門家が無料でお応えいたします。
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